行政書士法改正と屋外広告物申請のポイント

【令和8年行政書士法改正】官公署へ提出する書類の作成は行政書士の独占業務へ|屋外広告物申請も行政書士に依頼すべき理由

令和8年行政書士法改正で何が変わった?

令和8年1月1日に施行された行政書士法の改正により、行政書士の業務範囲がこれまで以上に明確化されました。

今回の改正では、行政書士または行政書士法人でない者が、他人から依頼を受け、報酬を得て官公署へ提出する書類を作成することについて、法律で認められた場合を除き禁止されることが明文化されました。

これは行政書士だけに関係する改正ではありません。

企業や店舗、広告代理店、看板施工会社など、行政手続きを外部へ依頼するすべての方に関係する重要な改正です。特に、屋外広告物許可申請や屋外広告業登録などの行政手続きについては、今後ますます「誰に依頼するのか」が重要になります。

本記事では、行政書士法改正の内容と背景、企業が注意すべきポイント、屋外広告物申請との関係について詳しく解説します。

▶ 関連記事:行政書士法改正で企業が知っておくべきポイント

▶ 関連記事:看板業者ではできない行政書士の独占業務とは?屋外広告物申請で知っておきたい役割分担を解説【令和8年行政書士法改正対応】

行政書士法改正の概要

令和8年1月1日、改正行政書士法が施行されました。今回の改正では、行政書士の使命規定や職責の明確化、デジタル社会への対応など複数の改正が行われています。

その中でも企業に大きく関係する改正が、行政書士以外の者による官公署提出書類の作成について、法律上より明確に禁止されたことです。

行政書士法では以前から行政書士だけが行える業務が定められていました。

しかし近年、
・ 無資格者による申請代行
・ インターネット上での格安申請サービス
・ コンサルタントによる申請代行
などが問題視されていました。

今回の改正では、「他人から依頼を受け、報酬を得て官公署へ提出する書類を作成すること」について、行政書士または行政書士法人以外は法律で認められた場合を除き禁止されることが、これまで以上に明確になりました。

つまり、
「書類を書くだけだから問題ない」
「提出だけだから大丈夫」
という考え方は通用しません。

行政手続きの専門家である行政書士が行うべき業務であることが、改めて法律上整理されたのです。

改正前と何が変わったのか

実は、「行政書士しかできない仕事」という制度自体は以前から存在していました。
では、今回何が変わったのでしょうか。

一番大きなポイントは、

行政書士だけが行える業務が、より明確な表現で整理されたこと

です。

改正前も行政書士法では、官公署へ提出する書類の作成は行政書士業務とされていました。

しかし、インターネット広告では、
「○○申請代行」
「全国最安値」
「申請書作成します」
といったサービスが多数見られ、依頼する側から見ると、行政書士なのか、行政書士ではないのか、判断できないケースも少なくありませんでした。

その結果、無資格者へ依頼してしまい、
・ 申請が受理されない
・ 書類の作成ミス
・ 条例違反
・ 行政から是正指導
などのトラブルが発生する事例もありました。

今回の改正は、こうした状況を改善し、国民が安心して専門家へ依頼できる環境を整備することも目的の一つとされています。

なぜ行政書士法が改正されたのか

令和8年1月1日に施行された行政書士法の改正では、行政書士の業務範囲がより明確に整理されました。

この改正の背景には、近年のデジタル化やオンライン申請の普及に伴い、行政手続きの代行サービスが多様化したことがあります。

インターネット上では、
「○○申請代行」
「行政手続きを格安で代行」
「書類作成サポート」
といったサービスを見かける機会が増えました。

しかし、その中には行政書士ではない事業者が、報酬を得て官公署へ提出する書類を作成しているケースも存在し、法令違反が疑われる事例も少なくありませんでした

その結果、
・ 不備のある申請書類の提出
・ 許可取得の遅延
・ 行政からの補正指示
・ 依頼者が法令違反に巻き込まれる
といったトラブルが発生することもありました。

こうした状況を改善し、行政手続きの適正性を確保するとともに、依頼者を保護することが今回の改正の大きな目的です。

行政書士は、行政手続きの専門家として国家資格が与えられています。

単に書類を作成するだけではなく、
・ 関係法令の確認
・ 許可要件の判断
・ 添付書類の精査
・ 行政との協議
・ 補正対応
まで含めて適正な手続きを行うことが求められています。

今回の法改正は、こうした行政書士の専門性と公共的な役割を改めて明確にし、国民が安心して行政手続きを依頼できる環境を整備することを目的としています。

「官公署へ提出する書類」とはどのような書類か

今回の改正では、「官公署へ提出する書類」という言葉が重要なポイントになります。

官公署とは、国の行政機関だけではありません。

例えば、
・ 国土交通省
・ 都道府県庁
・ 市区町村役場
・ 保健所
・ 消防署
・ 警察署
・ 入国在留管理局
など、行政機関全般が含まれます。

これらの行政機関へ提出する申請書や届出書、許可申請書などは、行政書士法の対象となる書類です。

屋外広告物申請も「官公署へ提出する書類」

屋外広告物の許可申請は、市区町村や都道府県へ提出する行政手続きです。

例えば、
・ 屋外広告物許可申請
・ 屋外広告物変更許可申請
・ 屋外広告物更新申請
・ 除却届
・ 屋外広告業登録
・ 屋外広告業更新申請
・ 登録事項変更届
は何も官公署へ提出する書類です。

そのため、これらの書類を他人から依頼を受け、報酬を得て作成・申請代理することは、行政書士法の対象となります。

屋外広告物許可申請はなぜ行政書士の業務なのか

「看板の申請だから看板業者へ依頼すればいい。」そのように考える方も少なくありません。

もちろん、看板業者には設計や製作、施工に関する専門知識があります。

一方で、屋外広告物許可申請は、行政法規に基づく行政手続きです。

行政への許可申請や届出に必要な書類を作成し、申請を代理することは、行政書士が担う専門分野です。

施工と行政手続きは、それぞれ異なる専門性を持っています。そのため、近年では看板業者が行政書士と連携し、設計・施工は看板業者、申請手続きは行政書士という役割分担を行うケースが増えています。

▶ 関連記事:看板業者ではできない行政書士の独占業務とは?屋外広告物申請で知っておきたい役割分担を解説【令和8年行政書士法改正対応】

行政書士は、単に申請書へ必要事項を記載するだけではありません。

例えば、
・ 屋外広告物条例の調査
・ 景観条例との整合性確認
・ 許可要否の判断
・ 必要図面・添付書類の確認
・ 行政との事前協議
・ 補正対応
・ 許可取得までの進捗管理
など、許可取得に必要な行政手続きを一貫してサポートします。

特に全国展開する企業では、自治体ごとに条例や必要書類が異なるため、行政手続きの専門家によるサポートが重要になります。

看板業者・広告代理店・店舗運営会社が注意すべきポイント

今回の行政書士法改正は、行政書士だけでなく、屋外広告物に関わる事業者にも大きく関係します。

例えば、
・ 看板製作会社
・ 屋外広告業者
・ 広告代理店
・ 商業施設の管理会社
・ 多店舗展開企業
などです。

これらの事業者が、お客様から依頼を受け、報酬を得て官公署へ提出する書類を作成・申請代理する場合は、行政書士法との関係を十分に理解しておく必要があります。

▶ 関連記事:屋外広告業者が知っておくべき行政手続き完全ガイド|許可申請・屋外広告業登録・条例調査を行政書士が徹底解説

自治体でも行政書士法違反への注意喚起が行われています

令和8年1月1日に施行された行政書士法の改正により、行政書士または行政書士法人でない者が、他人から依頼を受け、報酬を得て官公署へ提出する書類を作成することについて、法律で認められた場合を除き禁止されることが、これまで以上に明確化されました。

▶ 関連記事:看板業者・広告代理店が屋外広告物申請を代行していませんか?行政書士法上の注意点を行政書士が解説

この改正を受け、実際に自治体でも行政書士法違反への注意喚起が行われています。

例えば、福井市の「屋外広告物申請書類一覧」では、申請様式の案内ページに次のような注意書きが掲載されています。

【ご注意】行政書士でない方が、業として他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を作成することは、法律に特段の定めがある場合を除き、行政書士法違反となりますので、ご注意ください。 出典:福井市公式サイト

同様の注意書きは、福井市の景観行政ページなどにも掲載されており、自治体においても適法な申請手続きの重要性が周知されています。

屋外広告物申請でも適法な役割分担が重要です

屋外広告物許可申請では、看板業者や施工会社、デザイン会社など複数の事業者が関わることが一般的です。

屋外広告物の設置には、
・ 現地調査
・ デザイン
・ 製作
・ 施工
・保守管理
といった業務があり、これらは看板業者の専門分野です。

一方で、
・ 許可申請
・ 変更申請
・ 更新申請
・ 行政への届出
など行政手続きは行政書士の独占業務です。

看板の製作や施工、設計、デザインを行うことと、官公署へ提出する申請書類を依頼を受けて報酬を得て作成・申請代理することは、それぞれ異なる業務です。

そのため、申請書類の作成や申請代理が必要な場合には、行政書士法を遵守し、行政書士または行政書士法人へ依頼することが重要です。

企業としても、適法な手続きによって許可を取得することは、法令遵守(コンプライアンス)の観点から重要であり、将来的なトラブルの防止にもつながります。

▶ 関連記事:屋外広告物申請は誰ができる?行政書士・看板会社・広告代理店の役割と業務範囲を徹底解説【令和8年行政書士法改正対応】

企業が行政書士へ依頼するメリット

行政書士へ依頼することは、単に書類作成を任せるだけではありません。

企業にとっては、次のようなメリットがあります。

① 法令遵守(コンプライアンス)の徹底

自治体ごとの条例を確認したうえで適切な手続きを進めるため、法令違反のリスクを低減できます。

② 本業への集中

複雑な行政手続きを専門家へ任せることで、企業担当者は本来の業務に専念できます。

③ 行政との円滑な調整

行政からの補正依頼や問い合わせにも適切に対応し、スムーズな許可取得につながります。

④ 全国対応が可能

全国の自治体で異なる条例や運用にも対応し、多店舗展開企業や広告代理店、看板業者の負担を軽減します。

行政書士法違反となるケースとは?

令和8年の行政書士法改正により、「官公署へ提出する書類の作成」は行政書士または行政書士法人が担う業務であることが、より明確になりました。

では、どのような行為が行政書士法違反となる可能性があるのでしょうか。

重要なのは、
「他人から依頼を受け」
「報酬を得て」
「官公署へ提出する書類を作成する」
という3つの要件です。

これらに該当する場合は、行政書士法との関係を十分に確認する必要があります。

▶ 関連記事:看板業者・広告代理店が屋外広告物申請を代行していませんか?行政書士法上の注意点を行政書士が解説

事例① 看板業者が申請書を作成し、申請を代行する

店舗から依頼を受け、「許可申請まで全部やります。」として申請書を作成し、行政へ提出する。

このようなケースでは、行政書士法との関係を慎重に検討する必要があります。

看板の設計・製作・施工は看板業者の専門業務ですが、行政庁へ提出する申請書類の作成や申請代理は、行政書士法が関係する分野です。

事例② コンサルティング会社が申請書を作成する

店舗開発コンサルタントや広告コンサルタントが、「申請もセットで対応します。」

として報酬を受け、行政へ提出する書類を作成する場合も、行政書士法との関係を確認する必要があります。

コンサルティング業務そのものは問題ありませんが、官公署提出書類の作成・申請代理は別の問題です。

事例③ 格安申請代行サービス

近年では、
・ 全国対応
・ 最安値
・ オンライン完結
などをうたうサービスも増えています。

依頼する際には、
・ 行政書士事務所であるか
・ 行政書士法人であるか
・ 行政書士が責任を持って対応するか
を確認することが重要です。

料金だけで判断すると、後から補正や再申請が必要になるなど、かえって時間や費用がかかることもあります。

事例④ 無償で許認可申請書を作成する

行政書士ではないコンサルティング会社等が、コンサルティング業務の一環として、無償で許認可申請の書類作成。

コンサルティング業務の対価として受け取る手数料等も「報酬」に該当すると考えられ、、そのコンサルティング法人とその書類作成をした社員は、行政書士法第19条第1項違反により罰せられる可能性があります。

違反した場合の罰則

行政書士法では、無資格者が報酬を得て官公署へ提出する書類を作成することなどについて、罰則が設けられています。

また、今回の法改正では、依頼者が安心して専門家へ依頼できる環境を整えることも目的の一つとされています。

違反した場合には、
・ 1年下の拘禁刑又は100万円下の罰金
・ 行政上の責任
・ 社会的信用の低下
につながる可能性があります。

特に企業では、コンプライアンスが重視される現在、行政手続きを適法に行うことは企業価値の維持にも直結します。

無資格者へ依頼した場合、
・ 許可取得が遅れる
・ 行政から補正を求められる
・ 追加費用が発生する
・ 設置スケジュールが遅れる
などのリスクがあります。

「安かったから依頼した。」
という理由だけで選んでしまうと、結果として大きな損失につながることもあります。

行政書士へ依頼することで、企業のコンプライアンスを守ることができます

屋外広告物の許可申請や屋外広告業登録、変更・更新申請などは、行政手続きの専門知識だけでなく、行政書士法をはじめとする関係法令を遵守して進めることが求められます。

行政書士へ依頼することで、
・ 行政書士法を遵守した適法な申請手続き
・ 自治体ごとの条例・運用基準に対応した書類作成
・ 行政への事前照会や補正対応
・ 官公署への申請代理
まで一貫して任せることができ、企業のコンプライアンスを確保しながら安心して手続きを進めることができます。

屋外広告物申請は行政書士へ依頼するメリット

① 法令遵守を徹底できる

屋外広告物条例は自治体ごとに異なります。

行政書士は、
・ 条例
・ 景観条例
・ 運用基準
などを確認したうえで申請を進めるため、適法な広告物設置をサポートできます。

② 行政との調整も任せられる

実際の申請では、
・ 添付資料の追加
・ 図面修正
・ 行政からの問い合わせ
・ 補正依頼
などが発生することがあります。

行政書士へ依頼することで、こうした対応も含めて任せることができます。

③ 企業担当者の負担を大幅に軽減

店舗開発担当者や総務担当者は、
・ 契約
・ 工事調整
・ オープン準備
など多くの業務を抱えています。

行政書士へ依頼することで、煩雑な行政手続きに時間を取られることなく、本来の業務に集中できます。

④ 全国展開企業にも対応

全国で店舗展開する企業では、自治体ごとに
・ 条例
・ 許可基準
・ 必要書類
・ 申請方法
・ 許可申請手数料の納付方法
が異なります。

行政書士・福井法務事務所では、全国の自治体に対応し、それぞれの条例を確認しながら適切な手続きを進めています。

よくある質問

Q1 看板業者へ申請も依頼できますか?

看板業者は設計・製作・施工の専門家です。
一方で、官公署へ提出する申請書類の作成や申請代理については、行政書士法との関係を十分に確認する必要があります。

不明な場合は、行政書士が関与しているかを確認すると安心です。

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Q2 自社で申請することはできますか?

はい。
自社の役員や従業員が、自社のために申請書類を作成し提出することは、行政書士法で禁止されているものではありません。

ただし、条例や運用基準は自治体ごとに異なるため、内容に不安がある場合は行政書士へ相談することをおすすめします。

Q3 申請だけ依頼することはできますか?

はい。

行政書士・福井法務事務所では、
・ 条例調査
・ 許可要否の確認
・ 申請書作成
・ 行政への申請代理
など、ご要望に応じたサポートを行っています。

Q4 全国の自治体に対応していますか?

はい。

全国の屋外広告物条例や景観条例を確認し、各自治体の制度に合わせた申請をサポートしています。

まとめ

令和8年の行政書士法改正により、「官公署へ提出する書類の作成」は行政書士または行政書士法人が担う業務であることが、これまで以上に明確になりました。

屋外広告物許可申請や屋外広告業登録は、企業のコンプライアンスや事業運営に大きく関わる重要な行政手続きです。「申請書を提出するだけ」と考えず、自治体ごとの条例や運用基準を踏まえた適切な対応が求められます。

行政書士・福井法務事務所では、条例調査から許可要否の確認、申請書類の作成、行政への申請代理まで一貫して対応し、お客様が安心して事業に専念できる環境づくりをサポートしています。

屋外広告物許可申請や屋外広告業登録など、官公署へ提出する書類の作成・申請代理は行政書士の法定業務です。適法かつ円滑な手続きをご希望の方は、行政書士・福井法務事務所までお気軽にご相談ください。

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